2006年03月01日

UI (ユーザインタフェース)

SymbianOS では、コアとなる OS (オペレーティングシステム) と UI (ユーザインタフェース) とが、ある程度独立して提供されています。このため、SymbianOS を搭載した携帯電話機メーカは、自社の携帯電話に適した UI を他社から購入したり、独自の UI を実装して製品を仕上げることができるようになっています。これは携帯電話メーカにとっては、他社差別化の要因だったり、自社のユーザに (自社 OS 搭載機と SymbianOS 搭載機の間に) 統一された操作系を与えることができるなどの、メリットとしても捉えられているようです。

その反面、ある UI 向けに開発されたソフトウェアが、別の UI 搭載機では基本的には動作しないというユーザにとってのデメリットがあります。これは、例えば Linux における複数の UI (コンソール / X / Qtopia) におけるソフトウェア非互換と似ていますが、実際にはそれよりは相互移植性が高いという印象を受けます。 SymbianOS においては、複数の UI の間で、移植ガイドや移植ツールが提供されています。また、SDK は各 UI 毎に別のものが提供されているものの、共存には配慮されていて、ベースとなるコンパイラも共通で使えるケースが多くなっています。これらのため、最初に一つの UI で開発を行い、後で他の UI にも移植するという手法が採りやすくなっています。

以下では、各 UI を簡単に紹介します。
■Series60

Nokia が開発し、自社搭載だけでなく各社にもライセンス提供している UI です。主なターゲットは通常の携帯電話タイプのスマートフォンです。採用機種数は SymbianOS の中で最も多くなっており、そのため市販されているソフトウェアも一番多いと思われます。

日本国内で発売されている Nokia 6630 (ボーダフォン 702NK) が、これを採用しています。他の採用機種は、My-Symbian の比較ページ (http://my-symbian.com/7650/compare.php) で一覧を見ることができます。

入力手段はテンキー (+カーソルキー等の幾つかの追加ボタン) が前提とされていて、タッチパネル無しで使われるのが特徴です。現在のバージョンでは画面解像度が 176*208 ドットに固定されていますが、将来はスケーラブル UI の導入がアナウンスされています。開発情報は、 Series 60 Platform ( http://www.series60.com/) にまとまっている他、 Forum Nokia が詳しいです。
■Series80

Nokia が自社のコミュニケータ (Communicator) 向けに開発した UI です。コミュニケータは、640*200 ドットの画面 (タッチパネル無し) とフルキーボード (いわゆる QWERTY タイプのキーボード) を搭載しており、それと画面横のコマンドボタンを中心とした UI になっています。

My-Symbian の比較ページ (http://my-symbian.com/9210/compare.php) で、搭載機種の一覧を見ることができます。開発情報は、Forum Nokia が一番詳しいです。
■Series90

Nokia が、自社の Widescreen Smartphone (Media Device) 用に開発した UI です。 Nokia の UI としては唯一、キーボード無し・タッチパネルを前提とした UI です。

先に発表になった Nokia 7700 が一般発売中止されたため、現在は搭載機が無く、次の Nokia 7710 が最初の製品になる予定です。開発情報は、Symbian のサイト ( http://www.symbian.com/developer/sdks_series90.asp) に概説されており、 Forum Nokia が一番詳しいです。
■UIQ

Symbian から独立した (という認識で合っているでしょうか?)、 UIQ technology という専業 UI メーカが開発している UI です。 208*320 または 240*320 ドットの画面と、タッチパネルを前提とした UI が特徴です。 Sony Ericsson や Motorola 等の幾つかのメーカが搭載機種を出しており、 My-Symbian の比較ページ (http://my-symbian.com/uiq/compare.php) で一覧を見ることができます。開発情報は、Symbian のサイト ( http://www.symbian.com/developer/sdks_uiq.asp) に概説されており、 SDK などは UIQ のサイトにあります (Symbian のサイトにもあります)。 SonyEricsson P800/900/910i の独自拡張機能については、 Sony Ericsson Developer World にあり、このサイトは UIQ 一般の開発情報としても有用と思われます。
■富士通の UI

富士通は以前から、DoCoMo 向け FOMA 端末に SymbianOS を搭載していますが、 UI は独自のものだと言われています。前項までの UI と異なり、一般向けには SDK も開発情報も提供されていませんし、電話機にサードパーティのアプリケーションをインストールする仕組みが存在するか否かも不明です。そのため、以下の項目では扱いません。
■TechView

SymbianOS の初期において、リファレンス UI として紹介されていたものです。基本的には、Psion のようなタッチパネルとキーボード付きのハードウェアが前提となっているように見えますが、実際に搭載機種が発売されたことはありません。そのため、以下の項目では扱いません。
■EIKON

SymbianOS として呼ばれるようになる前の、 EPOC (R1〜R5) で使われていた唯一の UI です。 EPOC における開発については、 「Psion (EPOC) での開発の概要」 をご参照ください。
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/13965264

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。